YB125SP の インプレ

私ごときが素人がインプレなどと 烏滸がましいが、納車から半年近く経つのでちょっとだけ書いてみる。
(基本的に本格的インプレは他の方の書いているHPやブログを参照にしてください)

YB125SPの乗り味は、まさにバイクの原点回帰といった様で、単気筒空冷、簡素なつくりのエンジン故の古典的な心地よい機械エンジン音と、電子制御によらないキャブレータ故のフケ上り動態特性が最高にライダーを楽しませてくれる。また、空冷のため吹かすと心地よいギアボックス内の金属ギア音が走行中でも良く耳に届き、最新の原2スクーターモデルのようなおあつらえな無味乾燥な感じを一切させない。やはり、80年代、90年代中盤くらいのバイクをこよなく愛している方なら、Z125 や グロム より俄然、愛着を持たせてくれるだろう高いポテンシャルの持ち主といえるモデルなのだと思う。

外装にちょっと手を加えれば今、流行りの”スクランブラー”として楽しむこともほぼメカニカルな改造なしにできるだろうし、SRやGBクラブマン的なブリティッシュ指向の趣向で楽しむこともできる。
 125CCといっても街乗りでパワー不足を感じることはなく、名車である旧セローのような街乗り万能コミューターとして十分に比肩するモデルであると断言できる。

 長距離ツーリングでもシート形状とハンドル位置の関係が、オーソドックスなバイクという特性上、往年の経験により無理なく設計されているためか何人にも無理なく、非常に自然で楽な姿勢である。
 タイヤも無理な運転を別とすれば特に滑りやすいということもなく、ノーマルで数年はいけそうだ。交換時にはダンロップIRCが2択で選べる。ヘッドライトだけは暗いので、購入後早期に安全のためにも当ブログ前述のようにポジションランプともにLEDに変えてしまった方が良い。(紹介の通り安価、ポン付けが可能で負担ない。)

速度は68km/hrくらいまで非常に安定した走りを見せる。その後も十分に無理なく加速し、80km/hrくらいが実質的な速度限界のような気がする。これは、車重が軽い割には横面積が大きく、ちょっとした横風で結構大きく影響を受けるため安定感が失われるため、又、振動も相当に増してくる。なので、これ以上の速度での走行は安全上憚られる。最も、125CCなのだから70km/hrを超過して運転してはいけないのであるが。

 ブレーキに関しては本当に昔のバイクだと感じさせられる。ブレーキロックをテクニカルに気にしながら前後ブレーキをかけていかないと大きな事故につながると思う。その点では旧式のバイクに慣れていない人は納車後当分の間は慎重な運転が求められよう。
 昔のバイクのブレーキは大型バイクといえどそんなもんであったのかもしれない(ブレーキは腕と経験だとの主張がまかりとおっていた?)が、現代のバイクと比較してしまうとやや貧弱感は否めない。
 積載性は工夫すれば相当大にとれる。これはキャンプツーリングにも使用できるとの換言でもある。
パーキングはセンタースタンドが安定していて使いやすい。(小柄な女性の場合はセンタースタンドかけは厳しいかもしれない。) しかし、座ったままスタンドをかけられるわけではないので、座った状態でいったん(立ちごけ防止のために)サイドスタンドをおろして、バイクからゆっくり降りて、センタースタンドをかけ、その後にサイドスタンドを戻しておくといった段階を踏んだやり方が手間かもしれないが使用上良いかと思われる。 なお、サイドスタンドはかなり恐怖感のある左側への傾き角になるので実用的には使えない。はっきり言って欠陥(設計ミス)レベル。エコノミーモデルが故に専用設計というわけにいかず、他モデルの流用品なのであろう。

 タンクの給油口内部は防錆が甘くちょっとしたサビがデフォルトだが、あまり気にしてはいけない。ここらの作りの甘さがヤマハと言えど中華車両としての特徴でもあるが、貯油機能上は問題にならないだろう。
 サイドバックミラーは視界がかなり狭いため、安全のため全交換したほうが良い。自分も未交換なので近いうちに交換予定であるが、現状ではミラーを □ から/◇ と逆ハの字にミラー角度を変えて左右後方視界を稼いでどうにか運用している状況だ。見た目にも正直かっこ悪い。

ギア(シフト)ポジションインジケーターは非常に便利である。たまに表示が抜け、焦ることが”まま”あるが、落ち着いて、かるくクラッチの入り切りを行う、又はハンドブレーキを軽く握るなどの対策をとると再表示される。

 エンジン始動はかなり良いと思われる。1ヶ月以上放置していても、ほぼ一発始動が可能だ。冬季(東北、北海道、信越の厳寒地は別として)においてもチョークを引けば難なくエンジンはかかり、暖気も1分ちょっと程でチョークを戻せる(アイドリング中のエンストがない)状態になる。当モデルの堅牢性の高さを一番に言い表せる特徴のひとつだ。

 最後になるが、乗り出し23万円のバイクとしては車両の設計の完全性、堅牢性、実用性は随一級と思われ、世界中の全メーカー、全モデルをおいてライバルは存在しないのではないかと思われる。 経済的な限界を持つ大学生や、車と子供を抱えて、日々の生活費に追われ、家族のために安全にも配慮しなければならないパパさんには絶対おすすめできる車両である。
 40歳を超えるとなんだかんだで200kg近い大型大排気量車両で高速道路を駆け抜けることは大変危険な行為だと思う。 
 運動、反射神経、筋力、視力、体バランスはあなたが思っている以上に落ちている。バイクメーカーの思惑を一蹴して、万民的な憧れに同調するより、自分なりの地に着く車両を選び、その車両でいかにモーターサイクルライフを楽しむかに注力したほうが中高年ライダーにとっては幸せではないだろうか。(なお、当ブログの閲覧者の半数以上が40代以上である。)
 現保険制度の聖域と言われるファミリーバイク特約の範疇で、税金、車両本体価格も考えうる限りのミニマムなエコノミーの組み合わせでバイクライフを最大限に楽しめるバイク、それが重慶ヤマハの「YB125SP」 ではないだろうか。