カワサキ KLX230 の系譜

生物は環境に合わせて進化を遂げていきます。競争的に行われ、ある種は繁栄を。ある種は絶滅を迎えます。また、ある種は他の種に混ざる、紛れ込むことによって部分的にでも生き残りを図ります。これを何万年も続けた結果が今の生態系の表現形です。
 人間から見ると一見、退化に見えてしまうようなトランスフォームでもそれは環境適応という観点からみれば熾烈な生き残りのための進化なのです。

さて、バイクに話を戻します。KLX230 一見してかなりの退化です。
でも、それは生きる場所を種族繁栄上生存環境の悪くなった日本島から南方のインドネシアの各諸島に変え、その地に合わせて生きるために、種族を増やすために環境適応した結果です。

私は2003年ころにKLX250に乗っていました。

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オレンジ色のKLX250(日本製)でした。個人店で激安特価だったので即買いを決めての購入でした。フルサイズのオフ車は乗る人を身長というスクリーニングによって選び、オフ車人口は乗ってみたいと思っている人口のおよそ半分以下にまで押し下げます。
 ジェベル250XC後の購入で、4ストオフ車にして水冷DOHC、30(29)PSというクラス最高の性能に期待しての購入でした。
 当時、2ストのフルサイズのオフ車(モトクロッサー)はバリバリ系が各社から出ており(CRM250R、DT200WR、RMX、TDR、KDXなど)、4ストはXR(BAJA)、TTR、DRとちょっと路線、毛色が変わる中、KLXだけは2ストとも張れる性能が期待出来る唯一無二の4ストオフでした。(闘う4スト KLX250SR 1993~、セル付きライト拡大 KLX250ES 1994~)
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公道初代KLX(SR)

その後(2004~)、KLX250はカワサキのタイ工場立ち上げによる海外生産移管への早期移譲機種になり、モデルチェンジではちょっと違う感(日本人にとっての違和感)が出てきました。(特にライト周り)
 また、生産品質管理上の不満(故障、作りの粗さ)もタイ生産移管当初はたくさんあったことも覚えています。
 この時の日本人ライダーの落胆振りときたら雑誌面を含めネガティブコメントで溢れかえったものです。
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ライトが東南アジア好みのウルトラマン的異型ライトに

そして、今月、新たなKLX、カワサキインドネシアでKLX230が登場しました。
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KLX230
「あゝ 嗚呼 あ-----っ」
もはや、私の及ばない世界です。日本販売もほぼ確定的になり掲示板などでも「KLX230超期待~!」との日本人の声もきかれます。
私も、老いて浮世の変化に対応できなくなっているのでしょう。
平安時代の美人と江戸時代の美人と現代の美人ではその時に生きる男側の反応もまったく異なります。昭和団塊ジュニアは最も個体数多くして、時代に対応できずに絶滅を迎える絶滅危惧種なのかもしれません。おそらくKLX230には反応しない(できない=不具者)でしょう。

私の心境
「この世の中を! ウグッブーン!! ゴノ、ゴノ世のブッヒィフエエエーーーーンン!! ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! ゴノ! 世の! 中ガッハッハアン!! ア゛ーー世の中を! ゥ変エダイ! その一心でええ!!」
それは野々村元議員の心境です。(文章一部引用:https://logmi.jp/business/articles/16387
私もKLX230についての記者会見をさせられたならこうなります。
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さよなら 俺の古き良きKLX。。。。