最近のバイク事情 (中国 と 日本 に横たわる悲しい現実)

スズキは今年、250ccの新鋭バイクを発売しました。
GSX250R と DL250(V-STROM)です。
どちらもそれなりの客層向けですよね。

しかーし! そこに 悲しい現実が横たわっています。

中国では両方の車種ともABS付き。
(豪爵-鈴木のHP)
中国フルパニアVストロームABS(標準価格 527,300円 ※元/円←現在レート換算)

日本では両方の車種ともABSなし
(スズキのHP)
日本VストロームABSなしパニアなし(標準価格 消費税抜き 528,000円)
日本VストロームABSなしフルパニア装備(オプション)
          (標準価格 消費税抜き 604,000円)
一般的にABSの有無で4万円が差額となっていますから、
もし中国標準バージョンのVストだったら、日本で標準価格は644,000円てところですね。これに消費税を加算すると 税込み標準価格695,000円。もう約70万円て呼べてしまいます。

日本の消費者向けには高値掴みをさせた挙句、ABS付きは現段階で選択できないようになってしまっています。中国ではどちらの仕様も僅差の額で選択できます。

日本人の命(250ccしか買えないような一般庶民)の価値や消費者としての価値は既に中国人(250ccを買う余力のある一般庶民)以下なのです。
 (国籍住居地を問わなければ全く同じ(差を有さない)内在的経済価値を持つ消費者であるのに)
 

 同一車種の自動車でも欧州や米国向けと日本向けは外装上は見分けつきませんが、セーフティエクイップメントのグレードが全然違います。販売価格は変わらずして欧米向けはドアの中にぶっとい鉄骨が入っていたり、車台がより頑丈になっていたり、サイドエアバックが標準装備だったり、現地の法的な安全基準が違うというだけでは説明がつかないくらいに差があります。見た目が同じの世界戦略車と呼ばれるコンパクトカーでも日本向けだけはペラペラだったりします。鉄骨も抜かれています。いや、省略されて軽量化されて日本に適した仕様に改良されています。まるで見てくれ重視の安普請のリーズナブルオカラマンション見たいですね。利益だけは漏れなく日本人からガッポリ取ります。
 自動車会社はこれでもかっていうくらいに理知的に、あらゆる計算をしています。その結果から日本人の人命の相対価値は低く、金払いが良く、メーカー責任の車両事故時のコスト負担は圧倒的に安い と弾いています。品質も小事に拘わる割に、大事に甘いということを知っています。(どうでもいい細かいことにリコールを要求するくせして、肝心な大欠陥のときにはたいしてリコールを要求しない)
 なので、新機軸システムの試乗モニター扱いのような車両は我が国で最初に販売され、データ取りします。ハイブリッド、PHEV、水素燃料、クリーンディーゼルみんなそうです。200万円以上払って、使い物にならなくて、裁判もせず、泣き寝入りしてくれて、国や自治体からは販売補助金がいっぱい出て、大人しくディーラーが薦める次の同社車両に買い換えてくれる消費者は世界中で日本人だけです。そりゃ実験台にされますわ。
 この権利意識のなさは400年の幕藩体制天皇制、村社会、会社命のイデオロギーよって培われたものです。
本当にあり得ません。

 バイクでも同じで、じきに日本モデルも(法整備により仕方なく)ABS標準装備になるのでしょうが、メーカーの主体的な優先順位はずっと後なんですよね。その順位がとうとう中国人にも抜かれてしまいました。

民族の自虐的価値観による悲しい現実。 ドイツ人やアメリカ人じゃあり得ない発想でしょうね。自分たちが作って売っているんだから自分たちがその作っている中で一番安全なものに乗る権利があって当たり前という発想でしょう。 メーカーの人ってこういうのどう考えているんだろ。日本人は死んじゃっても全然問題ありませんてこと??