中国 の バイク(二輪車) 市場 の 最新動向

中国汽車工業協会、摩托車分会の統計( http://www.caam.org.cn/ )によると2017年の中国 の 2輪車 販売台数及び生産台数はともに1730万台 程でした。 (以下の表は同協会HPより引用)
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中国国内販売台数

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中国国内生産台数

また、他の統計資料でも2017年の中国の生産台数は1800万台程度と出ていますので概ね正確な値になっているのかと思われます。
2000年前後は(中国)国内販売台数も多く生産台数は2400万台を越えていたこともありますが、国内の「禁摩」「限摩」政策や モータリゼーション(4輪車、自動車)への移行により減少傾向は尚も続いております。日本でも過去にそうであったように国が豊かになってきている証拠とも言えます。
このような背景もあって、最近の中国大手二輪車メーカーでも新型車(ニューモデル)の投入数が激減しています。
これは、二輪車工業会(摩拓車分会)も認めていることです。
二輪車メーカーサイトを覗いてみても、モデル(ラインナップ数)の整理による縮小が如実に感じてとれます。 競争力がないメーカーは二輪車事業の撤退すら発生しています。 日本でもそうでしたね。 今は船外機の大手メーカーとなっている トーハツ などは昔は大手二輪車メーカーでした。
なので、中国メーカーは輸出に活路を見つけ出さなければならない状況に更に追い込まれているのですが、以前の主要顧客であった 東南アジア、インド、中南米、アフリカの各国でも経済が豊かになってきており、中国品の値上がりも相俟って僅差の値段差で日本(メーカー)製の優良バイクが買えるならとそちらにどんどん流れていってしまい中々商環境は厳しくなってきている状況です。特にインドネシアなどは世界最高水準のバイクを求めるぐらいの消費者基準の非常に高いマーケットになってしまいました。こうなっては信頼やブランド力でいまいち劣る現状の中国メーカーでは手も足も出ません。
一方で インド、インドネシアのマーケットは大盛況の状態ですから、日欧のブランドメーカーも二輪車生産の軸を本国より当地に移し、さらに車体の開発までやってのけます。
日本製バイクの製品力がほんの数年前まで低落気味でしたが、このような状況で日本(メーカー)製二輪車が最近では再び光を得る結果になっています。
日本人消費者ですら(逆輸入により)その恩恵にあやかっている状態です。(ヤマハYZF-R25,カワサキ ニンジャ250などはその典型)
最終的(10年後とか)に中国の二輪車メーカーも4社程度に絞られてくると考えられますが、どのメーカーが生き残っているでしょう。
個人的に中国メーカーの生き残る方向性としてうまくやっているなと考えているのは現状では CFMOTO(春風動力) ぐらいなものでしょうか。
それでもホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの現状のブランドや長年の信頼の力を越えていける商売上の実力を持つには相当の努力を要するでしょう。
中国メーカーがこの危機を脱することが出来るようになるのは「バイクは消耗品ではない」としっかり認識できるようになり、きめ細かく拘りを持って生産開発することだと思われます。 国民性もありますので、人材の選別も必要になってくるでしょう。